1から始める数学

数字の1を定義するところから始めて現代数学を築きます。ブログの先頭に戻りたいときは、表題のロゴをクリックして下さい。

0から始める数学(その8)

 現在2022年4月16日17時11分である。(この投稿は、ほぼ4819文字)

麻友「まだ続いているのね。この連載」

私「今、準備中だけど、『1から始める麻友と私の算数・数学』という原稿を、書き始めている。どうも、ブログの記事にしちゃうと、以前これを話してあったかな? と、分からないことがあり、一覧できないと困る。」

若菜「その原稿は、どこにあるんですか?」

私「ドラえもんのブログのリンク集に、『1から始める麻友と私の算数・数学』というフォルダを作った。まだ、章名しか書いていない。『NKとBGの要約』みたいに、{\TeX} で、書いている。それを、書くに当たって、麻友さんとの『1から始める数学(~その15)』を、利用するが、あの連載では、『{1}』、『{2}』までは、定義したけど、『{3}』以上は、定義していない。それを、遅まきながら、やろうというわけだ」

麻友「私の名前を勝手に使って!」

私「麻友さんがいないと、本気になれないんだ。登場してよ」

麻友「仕方ないわね」


私「足し算は、定義したんだよね。自然数の」

結弦「えーと。『1から始める数学(その12)』のとき、


 定義 12

 {A}{B}が、すでに自然数だと分かっているとする。

 この時、{+}の記号を用いて、

{A+B}

と書かれる記号の列は、自然数である。

 定義 12 終わり


が、あって、『1から始める数学(その13)』で、


 定義 13

 {A}{B}自然数であるとき、定義 12 により、

{A+B}

は、自然数である。

 この、{A}{B}に、{A+B}を対応させる操作を、

『エイ、たす、ビー』

という。

『エイ、と、ビー、の足し算』

とも言う。

 定義 13 終わり


と、定義している」

私「荒っぽいけど、次のように、定義しよう」


 定義 40 自然数の省略記号の定義

 以下の左辺は、右辺の数字の並びの省略記号であると、定義する。例えば、{5} と、書いてあったら、{1+1+1+1+1} と書いてあるものと、見なして良いと、するのである。

{2=1+1}

{3=2+1}

{4=3+1}

{5=4+1}

{6=5+1}

{7=6+1}

{8=7+1}

{9=8+1=1+1+1+1+1+1+1+1+1}

{10=9+1=1+1+1+1+1+1+1+1+1+1}

 定義の仕方により、省略の仕方は、一意的ではない。例えば、

{9=1+1+1+1+1+1+1+1+1=1+1+3+1+3}

と、書いても良いし、

{9=1+1+1+1+1+1+1+1+1=1+1+7}

と、書いても良い。

 以上で、{10} までの自然数の省略記号が、定まった。

 定義 40 終わり


麻友「でも、{10} 以上は、どうするの?」

私「実は、私自身、名案がなくて、今までズルズル来ちゃったんだ」

麻友「えっ、名案がないって、太郎さん今まで全部、自分のアイディアで、話してきたの?」

私「自分の持ってる最良の説明で、乗り切ってきた。ただ、これは、どうしたものかな? と、困ってた」

若菜「過去形」

結弦「乗り切ったんだ」

私「最初の定義に戻ってみると、どんな自然数でも、{1} を、足し合わせたもの。そこで、{1} から、{9} までで、省略しきれなかった場合、それは、{10} か、それ以上だ。そこで、{10} なら、それで終わり。もし、{10} より大きかったら、そこまでを、{10} に置き換えて、省略し、残りを調べ始める。これが、{10} 以下で収まるなら、例えば、{7} とかなら、{10+7} と、省略記号で書く。例えば、こういうこと」

{1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1}

{~~~=10+1+1+1+1+1+1+1=10+7}

若菜「当然、{19} を、越えた場合、問題になりますが」

私「大丈夫。

{1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1}
{~~~~+1+1+1+1}
{=10+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1}
{=10+10+4}

と、できる」

麻友「じゃあ、{100} は?」

私「こう書ける」

{10+10+10+10+10+10+10+10+10+10}

結弦「でも、それじゃ、{10} が、いくつあるか、分からない」

私「それに、成功したから、今日書いている。


 定義 41 自然数の省略記号の定義(その2)

 {10} が、{10} 個、つまり、{10} 個の {1}{10} を、代入する。

{~~~~~~~~~~10=~1~+~~1~+~1~+~1~+~1~+~1~+~1~+~1~+~1~+~1 \\
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~\downarrow ~~~~~  \downarrow  ~~~~ \downarrow ~~~~~  \downarrow ~~~~~ \downarrow ~~~~~ \downarrow  ~~~~~ \downarrow ~~~~ \downarrow ~~~~~ \downarrow ~~~~~  \downarrow \\
~10 \times 10 =10+10+10+10+10+10+10+10+10+10}

 この数だけの {1} の集まりと、同じ絵になる、{1} の列は、掛けられる数、{10} の次に、{0} を書いて、{100} という省略記号で、表すと、定義する。

 今後、さらに大きい数になった場合、掛けられる数を、{100} として、それが、{10} 個なら、{100} の次に、{0} を書いて、{1000} とする。

{~~~~~~~~~~~10=~1~~+~~1~~+~~1~~+~~1~~+~~1~~+~~1~~+~~1~~+~~1~~+~~1~~+~~1 \\
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~\downarrow ~~~~~~~  \downarrow  ~~~~~~~ \downarrow ~~~~~~~  \downarrow ~~~~~~  \downarrow ~~~~~~~ \downarrow  ~~~~~~~ \downarrow ~~~~~~~ \downarrow ~~~~~~ \downarrow ~~~~~~~  \downarrow \\
100 \times 10 =100+100+100+100+100+100+100+100+100+100}


 さらに大きく、掛けられる数(代入する数)が、{\displaystyle 1\overbrace{0 \cdots 0}^{n個}} なら、{10} を掛けた数とは、{1 \overbrace{0 \cdots 0}^{n+1個}} だけ、{1} があると、表すと、定義する。
 つまり、{\displaystyle 1\overbrace{0 \cdots 0}^{n個} \times 10 =1 \overbrace{0 \cdots 0}^{n+1個}} である。

 この方法で、{1} が並んでいて、{1000} が、{1} 個、{100} が、{9} 個、{10} が、{9} 個あり。最後に、{4} 個、{1} が残る数は、{1994} と表され、上のような計算で求まる個数だけの {1} が、並んでいる絵の省略形である。つまり、普通に {1994}(せんきゅうひゃくきゅうじゅうよん)である。

 定義 41 終わり


私「余り、歯切れの良い、定義ではないが、今回は、こうして、定めておく。今後、もっと良い定義を思い付いたら、差し替える。そして、次の言葉を定義する」


 定義 42 位取り記数法(くらいどりきすうほう)

 前定義(定義 41)で、行った、大きい数の記述法では、{1000} が、{1} 個、{100} が、{9} 個、{10} が、{9} 個あり。最後に、{4} 個、{1} が残る数であれば、{1994} と表されていた。この {1} 個、とか、{9} 個、とか、{4} 個 という数の大きさが、{0} から {9} の間にないと、上手く一通りには、表せない。例えば、下から二桁目に、{13} があって、無理矢理、{3(13)2} と表される数は、{100 \times 3 + 10 \times 13 +2=432} となる。要するに、別な仕方、つまり、{3(13)2} でなく、{432} 、でも表せることになる。

 ここで、表記の一意性(一通りにのみ表せること)を確保するため、{10} を単位に、数を表すときには、各桁の数字は、{0} から {9} とすることに、定める。

 数を表すのに、ローマ数字(Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ,Ⅴ,Ⅵ,Ⅶ,Ⅷ,Ⅸ,Ⅹ,Ⅺ,・・・)のように、{0} を使わないものもあるが、私達のように、右から一桁目は、その数字そのもの。二桁目は、数字の十倍、三桁目は、数字の百倍というように、桁の位置によって、大きさを伝える記数法を、位取り記数法と呼ぶ。今の場合、{10} を底(てい)とする位取り記数法である。

 定義 42 終わり


結弦「当たり前なことって、説明するのが、難しいんだな。{1994} 個、{1} を並べて、実験してみせるわけにも、行かないし。僕は、どう習ったっけな?」

若菜「私は、たくさん計算させられて、当たり前のことと、思うようになったように、思うわ」

麻友「太郎さん。これは、自然数の話だけど、太郎さんの好きな、『解析入門Ⅰ』にも、こういうことが、ちゃんと書いてあるの?」

私「『解析入門Ⅰ』には、易しいこと過ぎて、書かれてない。小学生向けの本の方が、丁寧に書いてあると思う」

若菜「取り敢えず、これで、普通に数を、表せるように、なりました」

結弦「次は、小数、分数、負の数だね」

麻友「{0} は、表せているのかしら?」

私「{0} は、作ったじゃない。まあ、後で、復習しよう。翌朝まで、書いていたみたいだが、7時間以上、寝ているからね。じゃあ、バイバイ」

若菜・結弦「バイバーイ」

麻友「バイバイ」

 現在2022年4月17日12時37分である。おしまい。