現在2020年9月3日10時32分である。(この投稿は、ほぼ4904文字)
麻友「一応、この連載も、続けるのね」
若菜「4回目まで、来てますが、ほとんど進んでませんね」
私「今日は、早い時間から始めたから、かなり進めるつもりだ」
結弦「どういう話?」
私「以前、ドラえもんのブログで、 の省略記号として、
を、定義した。だけど、
の省略記号として、
を定義することなどは、やらなかった。そういう、未消化の部分を、補いたい」
麻友「このブログでは、
定義 1 1(いち)
月の個数は1個、あるいは、宇宙の個数は1個、などというときの、『1個』という概念を記号『1』で表し、通常『いち』と読む。
定義 1 終わり
と、なっていた。しつこくなるから、宝塚の話は、カットよ」
若菜「ドラえもんのブログでは、
定義 2
新しく、『』という記号を導入する。
これを、普通、『たす』とか、『プラス』と読む。
使い方は、後で別に定める。
定義 2 終わり
定義 3
定義 1で、定義してある、『』(いち)と、
定義 2で、定義してある、『』(たす)とを用いて、
『』という記号の列を作ることを許す。
『』を、通常『いち、たす、いち』と、読む。
『』が、何を表しているかは、後で別に定める。
定義 3 終わり
定義 4
新しく、『』という記号を導入する。
これを、普通、『イコール』とか、『~は、…』と読む。
使い方は、後で別に定める。
定義 4 終わり
と、進みますね」
私「そして、イコールの使い方を定義するが、こんな風に、模様として等しければ、イコールだ、なんていう定義は、数学が進むと、通用しなくなるのだが、今は、そうしておこう」
定義 5
記号、
『』
は、自然数であると定める。
定義 5 終わり
定義 6
記号、
『』
は、自然数であると定める。
定義 6 終わり
定義 7
自然数が2つある時、その2つが、模様として同じなら、記号『』で結ぶことを許す。
つまり、自然数と、
が、記号の並びとして同じなら、
『』
と書けると定義するのである。
定義 7 終わり
私「より一般のイコールの定義は、1から始める数学の段階から、0から始める数学の段階に移ったとき、見せるよ」
若菜「そして、やっと、 ですが」
定義 8
新しく、『』という記号を導入する。
これを、普通、『に』と読む。
使い方は、後で別に定める。
定義 8 終わり
定義 9
記号『』を、『
』の省略記号であると定める。
これにより、『』と書いてあったら、本来そこには、『
』と書いてあるのだと、思うわけである。
定義 9 終わり
私「この定義を、改造しよう」
定義 8 (改)
新しく、『』という記号を導入する。
これを、普通、『に、さん、し、ご、ろく、なな、はち、きゅう』と読む。
使い方は、後で別に定める。
定義 8 終わり
定義 9 (改)
記号『』を、『
』の省略記号であると定める。
これにより、『』と書いてあったら、本来そこには、『
』と書いてあるのだと、思うわけである。
同様に、
というように、右辺の省略記号として、左辺の数字を、定義する。
これにより、『』と書いてあったら、本来そこには、『
』と書いてあるのだと、思うわけである。
定義 9 終わり
麻友「ああ、これで、 まで、使えるように、なったわね。じゃあ、
は?」
私「まだ、 を定義していないから、
とは、書けない」
結弦「でも、 個の
の並びは、
と、書くことは、できるよね」
私「うん」
若菜「 でも、いいですね」
私「もちろん」
麻友「あっ、そうなんだ。じゃあ、 以上でも、表せないことは、ないんだ」
私「そうだよ」
若菜「その後、ドラえもんのブログでは、 が、
とは、違うということを、導きました。イコールで、結べるのは、両辺が同じ模様のときだけだから、ということを、利用して」
定理 10
すなわち、
が、成り立つ。
証明
『』の定義より。
証明終わり
ただし、
定義 11
新しく、『』という記号を導入する。
これを、普通、『等しくない』と読む。
『』が、成り立たない時、この記号に、置き換える。
定義 11 終わり
麻友「この辺から、気をつけて読んでいないと、分からなくなりだしたのよね」
結弦「自然数とは、何か、足し算とは、何か、と、どんどん難しくなる」
定義 12
と
が、すでに自然数だと分かっているとする。
この時、の記号を用いて、
と書かれる記号の列は、自然数である。
定義 12 終わり
定義 13
と
が自然数であるとき、定義 12 により、
は、自然数である。
この、と
に、
を対応させる操作を、
『エイ、たす、ビー』
という。
『エイ、と、ビー、の足し算』
とも言う。
定義 13 終わり
若菜「そして、加法の交換法則まで、出てきた」
定理 14
任意の自然数と
について、
が、成立する。
証明
ということは、等号の左辺と右辺の模様が同じということだった。
この場合、並んでいるの数が、等しいということだ。
に並んでいる
の数と
に並んでいる
の数は、順番を入れ換えても、変化しないはずである。
だから、の
の数と
の
の数は、等しいはずである。
よって、が、証明された。
証明終わり
麻友「加法の交換法則は、この証明で、良かったの?」
私「証明という言葉を、定義することも、できるんだけど、その場合は、『これこれの立場での証明とは、こういうものである』というように、あくまでも、立場を明確にしなければ、ならない。私達は、『私達の立場での証明は、相手を納得させられる議論ができるものとする』という程度の、ある程度幅のある定義を採用していることに、なるんだ」
若菜「不等号についての、次の証明も、そういう立場ですか」
私「そうだよ」
定義 15
と
を、自然数とする。
このとき、となる、自然数
が、ある時、
(エイ、しょうなり、ビー、と読む。)
と書くことに、定める。
また、となる、自然数
が、ある時、
(エイ、だいなり、ビー、と読む。)
と書くことに定める。
定義 15 終わり
定義 16
ある定義が、矛盾なくきちんと定義できていることを、
『ウェルデファインド-
である。』
と言う。
定義 16 終わり
定理 17
自然数と
について、
と
と
の3つのうち、1つそして1つのみが、成り立つ。
証明
1)が、成り立つ時、自然数
を持ってきて、
とすれば、
ではなくなるし、また、
とすれば、やはり
ではなくなるので、
のときは、
や
は、成り立たない。
2)でない時。
私達の自然数は、を並べたものに限られるので、左辺か右辺のどちらかが、
が多いのである。
2)-1)右辺の方が、多かったとしよう。この場合、足りない数だけのを、用意し、
でつなぎ合わせて、自然数
を作ると、
となる。この時、
である。
ところで、この場合、より
の方が、
の数が多いので、
とは、ならない。
従って、この時、とは、ならない。
2)-2)左辺の方が、多かったとしよう。この場合、2)-1)の議論と同じようにして、が、証明される。
そして、この時、とは、ならない。
3)以上により、すべての場合がつくされていて、どの2つも重ならないことが証明された。
証明終わり
麻友「『1から始める数学』の(その15)まで、一気に振り返って、さらに、手を加えたわね」
私「あの連載のクライマックスは、ゼロを作るところなんだけど、その辺りでは、あまり定義とか、定理とか、って、纏めなかったね」
若菜「ただ、その後の、『整数環』の連載や、『有理数体』の連載で、補っては、いましたけど」
私「うん。ちょっと、長くなりすぎるので、ここで、一旦投稿するよ。これから、マックへ行って、お昼を食べてくる」
麻友「暑さ、気をつけてね」
私「それじゃ、解散」
現在2020年9月3日13時03分である。おしまい。