1から始める数学

数字の1を定義するところから始めて現代数学を築きます。ブログの先頭に戻りたいときは、表題のロゴをクリックして下さい。

0から始める数学(その9)

 現在2022年4月18日13時40分である。(この投稿は、ほぼ4546文字)

麻友「ほとんど、毎日、投稿書いてる。今、太郎さん、躁なのかしら?」

私「軽い躁状態だね。この状態のときが、一番、自分に取っても、周囲にとっても、困ったことが起こらないんだよね」

若菜「さらに躁になると?」

私「よく、巫女さんが神がかり的になったみたいな状態、と言うんだけど、自分では才能全開で、凄いことできるぞ、みたいになって嬉しいけど、段々周囲に、過度に話しかけたりするようになって、医療保護入院となる」

結弦「でも、今だって、本当に好いてくれてるか分からないお母さんに、ラヴレターみたいなブログを、沢山書いている」

麻友「私、本当は、傷ついてるのよ。太郎さん、先日、ポートで、『ゆきりんの方が、まゆゆより、歌うまいと思いますよ』って、言ってた。私、歌手なのよ」

私「ああ、あれは、You-Tube で、まゆゆきりんの、『悲しい歌を聴きたくなった』をかけたら、『あっ、ゆきりんだ』って、言った人がいて、『横に、麻友さんもいるだろ』と、思いながら、『この人、柏木由紀さんが、好きなんだな』と思った。それで、『ゆきりんが、好きなんですか?』と、聞いたら、『はい』というので、『私の戦友と言ってる人が、『柏木由紀さんカワイイ』と、言ってましたね』と話したら、喜んだので、『ゆきりんの方が、まゆゆより、歌うまいと思いますよ』と、言ったんだ。そうしたら、『まゆゆが好きな、松田さんが、ゆきりんの方が、歌うまいと言うのだったら、本当なんですね』と、大喜びだったんだ」

麻友「それ、男の人?」

私「いや、女の職員さんだよ」

麻友「ふう」

私「ただ、その後、ネットニュースを見てたら、『AKB48のシングルで、自分は、ソロパートを歌わせてもらったことがない』と、柏木由紀さんが不満を述べてて、親友とは言え、柏木由紀さんより歌が下手だという発言に麻友さんは、怒ったかな?とは思った」

麻友「どうして、そういう風に、私を、次から次へと、貶すの?」

私「分からないかなあ。絶世の美女とつきあってる男の人の、照れゆえの発言を」

若菜「照れ? あっ、照れなんだ」

結弦「お父さんにとって、お母さんは、完璧なんだ。他の人の前で、『この人、カワイイでしょう』なんて、恥ずかしくて、言えないんだ。それで、ゆきりんより歌が下手だ、なんていうことになったんだ」

麻友「もう。もうちょっとで、今日の投稿、読んであげないところよ」


私「今日は、等号 ({=}) の定義を、見直すことになる。しっかり付いてきて」

若菜「等号の定義は、お父さんは、独特でしたね」


 定義 7

 自然数が2つある時、その2つが、模様として同じなら、記号『{=}』で結ぶことを許す。

 つまり、自然数{A}と、{B}が、記号の並びとして同じなら、

{A=B}

と書けると定義するのである。

 定義 7 終わり


結弦「これは、自然数の場合のことなんだな。ああ、整数になると、{\{(2,1),(3,2),(4,3),(5,4),(6,5),\cdots \} } というような、無限個の要素からなる集合を、{1}だと定義する。

{(7,3)}の入っている集合は、さっきの約束で、整数の{4}のことだったね。{7-3=4}だから。

{(9,2)}の入っている集合は、さっきの約束で、整数の{7}のことだったね。{9-2=7}だから。

そして、各成分ごとに足し算して、

{(7,3)+(9,2)=(16,5)}

と、足し算を定義した。これが、{(7+9,3+2)=(16,5)} ということだ。でも、模様として、{(9,2)} というのは、{7=1+1+1+1+1+1+1} の省略記法だと定義できないの?」

私「問題の深刻さが、分かってないな。この定義での {0} は、何だった?」

結弦「{ \{(1,1),(2,2),(3,3),(4,4),(5,5),(6,6),\cdots \} }という集合を、整数での{0}と、定義した」

麻友「あっ、そうか。当たり前だけど、{0+0=0} よね。確かに、等号で結ばれているけど、左辺は、{0} が、{2} 個で、右辺は、{0}{1} 個で、模様として等しくない」

私「そういうことなんだ。{0}{1} の決定的な違いは、{0+0=0} であるのに対し、{1+1=2} であることなんだ」

若菜「{1+1=0} の可能性は?」

私「ある。実数などの、体(たい)というものを考えるとき、標数(ひょうすう)というものについて、考察する。{1} を、{p} 個({p}素数)足したとき、{0} になる、標数 {p} の体というものも、存在する。広中の特異点解消定理の論文の題名は、


{Resolution\ of\ singularities\ of\ an\ algebraic\ variety\ over\ a\ field}

{of\ characteristic\ zero.(標数0の体の上の代数的多様体の特異点解消)}


であり、{characteristic~zero} が、標数 {0} に、相当する。{1} をいくら足しても、{0} にならないとき、標数 ∞ とは、言わず、標数 {0} と言うんだ」

麻友「あっ、私達が、{1+1} を考察したときは、まだ、{0} がなかったから、こういう議論は、できなかったのね」


結弦「新しい等号の定義をしないと」

私「模様として等しいを、使えなくなってしまったので、ここで、新たに、数学で、本当に使われている定義を、導入しよう。大変なものを導入するようだが、そんなに、分かりにくいものではない」


 定義 43 等号

 以下の2つの集合論の公理を満たす記号『{=}』を、等号と呼び、{A=B} のとき、{A}{B} は、集合として等しいという。


 公理 44 外延性公理(がいえんせいこうり)

{A=B} とは、{A} の中身と、{B} の中身が、等しいことである。


 公理 45 等号公理(とうごうこうり)

{A=B} で、{A} が、{C} の中身のひとつならば、{B} も、{C} の中身になっている。


 定義 43 終わり


結弦「今度は、集合なの? 整数でなくて?」

私「今後、整数だけでなく、分数も、小数も、実数も、集合で作って行く。だから、等号の定義は、当分変更にはならない」

麻友「じゃあ、{-3} の中身って、何よ」

私「まず、整数の {3} の中身は、

{3=\{(4,1),(5,2),(6,3),(7,4),(8,5),\cdots \} }

だったから、マイナスにすると、座標が逆になるから、

{-3=\{(1,4),(2,5),(3,6),(4,7),(5,8),\cdots \} }

で、要するに、{(1,4)} とか、{(2,5)} とか、{(3,6)} なんかだよ」

若菜「{(1,4)} は、集合ではない?」

私「若菜、冴えてる。{(1,4)} も集合だ。一般に、


 定義 46 順序対

 順序対(座標)は、{(x,y)} を、

{(x,y)=\{\{x\},\{x,y\}\}}

という集合と、定義する。

 定義 46 終わり


結弦「お姉ちゃん。ずるい。じゃあ、{1} とか、{4} は、集合ではない?」

私「結弦も、冴えてる。{1} とか、{4} も、集合だ」


 定義 47 集合論での序数としてのゼロ

 まず、以下の公理を採用する。


 公理 48 空集合の存在

要素をひとつも持たない集合が、存在する。


 この公理により、存在が保証される集合を、{\emptyset} と書き、ファイと読む。

 定義 47 終わり


結弦「{1} や、{4} は?」

私「自然数の新しい定義を与えるんだ」


 定義 49 自然数

 自然数とは、以下の様に集合で表されるものと、定める。

{0=\emptyset}

{1=\{0\}=\{\emptyset\}}

{2=\{0,1\}}

{3=\{0,1,2\}}

{4=\{0,1,2,3\}}

{5=\{0,1,2,3,4\}=\{0,1,2,3\}\cup\{4\}}

{~~~~~~\vdots~~~~~}

{n+1 =\{0,1,2,\cdots ,n-1,n\}=n \cup \{n\}}

 定義 49 終わり


私「{1} とか、{4} も、集合だ」


麻友「うー、太郎さんが、今まで隠してたものって、これか。全部本当は、集合だったんだ」

私「これが、20世紀にほぼ定まった集合論の考え方だ。だが、先日の望月新一さんは、『abc予想』を考えていて、こういう集合論から、飛び出したんだろうな。私にもまだ捉えきれないけど、この集合論の宇宙から、望月新一さんの宇宙まで、つなぐ橋が、作れるかどうか、ということなのだろう」

若菜「今日は、定義 43 から始まって、定義 49 まで、7個。大変でした」

結弦「数学って、大学へ行くと、こういうことになるんだね」

私「結弦。当分、オリジナルの結弦君のように、高校1年生の見方も、話してくれ」

若菜「私も、高校3年生のオリジナルの若菜さんにも、なりましょう」

麻友「私は、どうしようかしら?」

私「麻友さんは、私を困らせるほどの才媛、京都大学理学部の2回生のミルカさんみたいな人だよ」

結弦「お父さんが照れるほどの、美人だからなぁ。今日は、これで、終わりにしたら?」

私「じゃあ、バイバイ」

若菜・結弦「バイバーイ」

麻友「バイバイ」

 現在2022年4月18日17時55分である。おしまい。