1から始める数学

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現代論理学(その44)

 現在2023年11月9日18時07分である。(この投稿は、ほぼ2401文字)

麻友「昨日と一昨日のドラえもんのブログの投稿は、本来このブログのために、書いていたのよね」

私「私の父へのメッセージに、なってしまった」

若菜「でも、お父さん。女の人のドレスなんて、脱がせたことない」

結弦「そもそも、キスしたことだってないんだから」

私「何歳でもいいの。麻友さんが、私の方を向いてくれたらいいなあと、今でも、思っている」

結弦「これでも、女の人の気持ちが分かっている気でいる」


麻友「今回の投稿は?」

私「{\S3}トートロジーから、{\S4}代入,置換, 双対性に移って、一気に難しくなる。でも、{\S6 \mathrm{Gentzen}}型命題算{\mathit{NP}}に入るまで、すべて、真偽表あるいは、真理表で、片がつく話だ。分からなくなったら、あそこへ戻れば良い」

若菜「始めてください」

私「よし」


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{\S3} 代入,置換,双対性


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麻友「えっ、今、なんて言った? そうたいせい、じゃないの?」

私「相対性は、そうたいせい、だけど、双対性は、そうついせい、と読むの。相対は、(relativity)の訳。一方、双対は、(dual)の訳なんだ。数学では、全く違う概念」

若菜「双対を、例で、見せて欲しいですが」

私「これね、余り簡単に例で納得されても、困るんだ。デュアルって、圏論で、バンバン使われる概念で、先日も、アレキサンダーの双対定理って、やったよね」

manifolds.hatenablog.com

結弦「これって、布石だったの?」

私「今回使うために、持ち出したわけでは、なかった。でも、タイムリー」


麻友「じゃあ、止めて、ごめんなさい。本文をどうぞ」


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 本節ではトートロジーに関するいくつかの基本的な定理を証明しよう.

 以下,「論理式 {A}トートロジーである」という言明を,記号により {\models A} と表わす.また,論理式 {A \equiv B}トートロジーであるなら,論理式 {A} と論理式 {B} とは(要素命題記号に真理値をどのように割り当てても)常に同一の値をとるが,このことを等号 {=} を流用して,{A=B} と表わそう.({\S 2} の末尾を参照.)つまり,

{\displaystyle A=B \stackrel{\mathrm{def.}}{\Longleftrightarrow} \models A \equiv B}


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                (『現代論理学』12ページより)

若菜「お母さん、分かります?」

結弦「お父さん、{\LaTeX} の本見ながら、一所懸命打ってたけど、分からないよね」

麻友「こういうときは、湯川さんの愚問ね。はい。{=} と、{\equiv} って、どう使い分けるのですか?」

私「その辺からだな。まず、{\models A} って、どういうことか、分かっているかな?」

結弦「分かりません」

私「この場合の {\models A}{A} は、要素命題記号でないのは、分かっているか?」

若菜「言っている意味が、分かりません」

私「要素命題記号というのは、{\S1} で最初にやった、{p_1} や、{p_2} などの真か、偽。その後、{1} や、{0} を使い始めたけど、その {1} や、{0} を取る最小単位のことだ。だから、{p_1} は、偽(つまり、{0})を、値に取れる。そうすると、{\models A}{A} が、要素命題だと、{A} が、{0} ということもある。ところで、

「論理式 {A}トートロジーである」という言明を,記号により {\models A} と表わす.

と、定義したんだ。トートロジーは、常に、{1} じゃなきゃ、おかしい。だから、{\models A}{A} は、要素命題記号でないことが、分かったと、できないか?」

若菜「じゃあ、{A} って、どういうものなのですか?

私「要素命題記号 {p_1} を、用いて、{p_1 \Rightarrow p_1} や、{p_1 \equiv p_1} などと構成されるものだ」

麻友「少し、分かったけど、その {\models} という記号は、なんと読むの?」

私「ダブルターンスタイルと、読むらしい。後で、ダブルでない、ターンスタイルというのも、出てくる」


麻友「最初の疑問に答えてもらってないけど、もう23時14分。寝た方が良いわ」

私「じゃ、解散」

 現在2023年11月10日23時15分である。おしまい。