現在2025年8月17日10時35分である。1つの投稿が、長くなり過ぎていたので、改訂に伴い、文章を切った。削除はしていない。(この投稿は、ほぼ4783文字)
私「さて、これだけだと、2018年より未来には行かれない。そこで、麻友さんのパソコンと、私のパソコンに、ちょっと風邪を引かせる」
麻友「あっ、風邪!ウィルス。コンピューター・ウィルスね。映画『インデペンデンス・デイ』のアイディア」
私「そうだよ」
私「一応、説明しておくと、1996年のアメリカ映画『インデペンデンス・デイ』では、核ミサイルも効かないバリアに守られた、宇宙人の空母を攻撃する方法を考えていた科学者に、その父親が、『お前、そんな格好していると、風邪引くぞ』と言う。その言葉にインスピレーションを得て、宇宙人の空母のコンピューターに、風邪を引かせることを、思いつくという、そのアイディアを、私が、もらったということなのである」
麻友「私、最初読んだとき、意味が、分からなかったわ。でも、コンピューターウィルスなんだってことで、納得した。後で、あの映画観て、そういうことだったのかと、やっと分かった。太郎さん、バンバン、アイディアを使うから、読んでる方は、大変よ」
私「先を、続けよう」
麻友「つまり、2018年以前しか出てこない、ドロップダウンメニューに、未来の年の数字が出てくるように、プログラムを改変しちゃうのね」
私「分かってるじゃない、特待生。麻友さんが、SDチップに、そのウィルスプログラムを入れて持っていれば、どこのパソコンでも、タイムトラベルできるんだ」
私「さて、2042年に、行ってみよう」
麻友「ドラえもんでは、ひしゃげた時計がたくさん描かれた、タイムトンネルを、あのマシンに乗って、ピラピラー、と行くのよね」
私「まあ、過程は、それぞれの人の好みで、決まるとして、2042年の7月1日に着いたとしよう」
麻友「2042年が、半分過ぎたところね」
私「今、西暦何年ですか?」
麻友「誰に、話してるのよ?」
信号機「西暦2042年です」
麻友「えっ、この信号機、しゃべった」
私「そうなんだよ。2018年の頃には、LINEの『Clova WAVE』とか、グーグルの『Google Home』とか、アマゾンの『Amazon Echo』など、AIの搭載されたスピーカーができつつあったけど、24年後だから、完全に実用化されている」
麻友「それでも、信号機なんてものが、まだあるのね」
私「うーん。GPSと連動して、完全にオートで動いてるはずだけど、我々みたいに、過去から来た、おのぼりさんのために、一応、ついてるんじゃない?」
麻友「苦しい答弁ね」
私「さて、8年後にどうなるかより、10年後に生まれた若菜と、12年後に生まれた結弦が、24年後に、どこまで成長しているか、見に行こう」
私「教えて欲しいんだけど、渡辺麻友と松田太郎の間に生まれた、若菜と結弦は、今どこにいる?」
信号機「そのお声は、過去の時代のお父様ですね。現在のご家族は、今、近くのレストランで、お食事中です。ご案内します」
麻友「全員そろってるって。ややこしいことに、ならない?」
私「大丈夫だよ。2042年の麻友さんと私は、私達が今日、過去から来るの知ってて、食事しているんだから」
麻友「どうして、知ってるの?」
私「だって、この世界の48歳の麻友さんと、71歳の私は、それぞれ24歳と、47歳のときに、この未来への旅行をした張本人なんだから」
麻友「ややこしいわね。でも、自分の未来を見てしまうなんて、見たあと、自殺したくならないかしら?」
私「アハハ、これが、私のブログの中の話で、良かったね」
麻友「あっ、あれじゃない?」
私「麻友さんは、24年経っても、綺麗だな」
麻友「お世辞言っても駄目よ。でも、太郎さんは、70歳超えても、あまり変わらないわね」
私「そりゃそうだよ。もともと44歳の私に、会ったのだから」
麻友「あれが、結弦(絶句)」
私「まだ、小学校6年生でも、感情移入するかい? 若菜は、中学2年か。お母さんのように、アイドルには、ならなかったんだな」
未来の私「おっ、来たな」
私「タイムマシンできあがる前に、ちょっと、用事があって、来たよ」
未来の麻友さん「ああ、私が、かつて好きになった頃の太郎さんじゃない」
麻友「どーう? 太郎さんは、24年経っても、優しい?」
未来の麻友さん「ここで、あんまり未来のことを教えすぎると良くないのよね。あなた」
未来の私「そうだよな。たとえ未来がバラ色だと分かって、安心し過ぎても、人間は、生きがいをなくすからな」
未来の麻友さん「子どもたちに、用があるのよね。ちょっと、若菜、結弦、さっき話した24年昔のお父さんとお母さんなの。子供が、数学を、冒険みたいに面白く学べる世の中にしたいからって、頑張っていたのよ。お前たち、力を貸してあげられない?」
若菜「はじめまして。若菜といいます。数学を、冒険みたいにって、数学は、冒険じゃないんですか?」
麻友「えっ、ちょっと、あ、ごめんなさい。渡辺麻友です。あ、24歳の」
結弦「2018年から来たんですよね。あ、はじめまして。結弦です」
麻友「数学は、冒険ってことに、なってるんですか?」
結弦「この社会では、2026年に、昔あった『お金』というものが、なくなって、社会での問題というものが、なくなっちゃったんです。人間は、やらなければならないことが、なくなりました。それで、数学は、必要なものではなくなったのです。必要なものでなくなってみると、難しい数学を勉強するのは、登らなくてもいいエヴェレストに、物好きな人が登るようなものになりました。そうなって、物好きな人だけが登るエヴェレストですが、普通の人だって、一生に一度くらい、登れるものなら、登ってみたっていいとは思いますよね。それに、そもそも私達は、今、暇をもてあましているので、エヴェレストほどでなくとも、ちょっと秘境に冒険に行くのは、楽しいものです。数学は、基本的に紙に字を書くか、タブレットに字を書くことだけですから、どんなすごい冒険でも、怪我はしません。その問題を最初に解いた人のエピソードなどをインターネットで調べながら冒険するのは、冒険映画を観るのとは違った面白さがあります。今の子供達は、小学校入る前からパソコンを使ってるので、暗算や、筆算は、苦手だと親に言われます。でも、どんなにすごい問題でも、計算はコンピューターでできるのですから、困ることはないのです。数学を冒険にする方法を見つけたいのですか?」
麻友「社会の問題がなくなっちゃったって、例えば、結弦君の持ってるパソコンを、他の人に盗られちゃったりしたら、どうするの?」
若菜「盗る人なんていないし、もし盗られたって、また3Dプリンターで、作ればいいものね」
結弦「そう。お姉さんは、その3Dプリンターを盗られちゃったら、とか、心配されるかも知れませんけど、3Dプリンター盗られちゃったら、他の3Dプリンターで、また3Dプリンター作ればいいんですよ」
麻友「その3Dプリンターを動かす電気は?」
若菜「太陽光発電の効率が上がっているので、電気は自由になるんです」
結弦「だから、お金、なんてものは、もうないんです」
私「結弦君。お姉さんなんて言ってるけど、この人は、結弦君を産む前の、結弦君のお母さんだよ」
結弦「あっ、そうか」
若菜「じゃあ、お父様なんですね、今より若い」
私「そうなんだ。それでね、ふたりに知恵を借りたいんだ。今から24年前の世界には、インターネットにLINEというものがあった。これを使うと、電子会議みたいなことができる。このLINEみたいなものを、2042年と2018年の間でやり取りして、この若い麻友さんと、私と、若菜ちゃんと、結弦君で、結弦君の言っている、数学の冒険というものを、やってみたいんだ。なんか、良い方法は、ないかな?」
結弦「24年前と今とで、交信するのか、・・・」
私「麻友さん。結弦君に、お姉さんなんて、言われちゃったな」
麻友「面はゆいわ」
私「CGとか、アイドルサイボーグなんて言われた麻友さんだものな」
若菜「アイドルサイボーグ? サイボーグ? はっ! 結弦。結弦」
結弦「なに、お姉ちゃん」
若菜「AI(artificial intelligence 人工知能)を、渡したら?」
結弦「AI? 僕の? あっ、そうか。お姉ちゃんと僕の、AIを、渡せばいいのか」
私「うん? なんかいい方法ある?」
結弦「LINEで、僕たちとつながれれば、いいんですよね」
私「うん」
若菜「じゃあ、私のスマホにしとこうか? 結弦のスマホちょっと貸して」
結弦「はい」
若菜「私のスマホに、結弦の全データを入れます。私のデータは、もう入ってます。このスマホを、2018年のお父様とお母様にお渡しします。この中の私と結弦と、LINEをして下さい。これは、AIになっているので、考えることも言うことも、成長します。本当の私達と同じように、電子会議みたいなことが、できるはずです。もちろん、数学の冒険もできます。私達が行っちゃうと、2042年の父母が悲しむので、このスマホだけお渡しします」
麻友「あらっ、これ受け取っちゃったら、若菜ちゃんスマホどうするの?」
若菜「また、3Dプリンターで作ればいいだけなので、お気になさらず」
私「データは?」
若菜「今、クラウドと同期しました」
結弦「スマホ持ってないとき、誘拐されたら、なんて心配することないんですよ。今では、GPSは、あらゆる機器に付いているんですから」
私「若菜ちゃん、結弦君、ありがとう。これで、2018年を、『数学は冒険』という世界にしてみせるよ」
麻友「若菜ちゃん、あなたの名前は、この人が付けたのよ。結弦君は、私が付けたの。どちらも、心を込めて付けたのよ。覚えておいてね」
結弦「お母さんに聞いてみます。お元気で、さようなら」
若菜「お父さん、なんかの映画と関係あるって言ってた。それでは、さようなら」
未来の私「おお、どうだ。上手く行ったみたいだな」
私「4人の知恵を合わせて、方法を見つけたよ。チャンスをくれてありがとう」
未来の麻友さん「太郎さんは、ゴキブリ退治をするって言ってたけど、毎年6月に、ゴキブリキャップやブラックキャップやコンバットなどの駆除剤のキャップを家中に置くだけなのよ。でも、不思議とゴキブリが、いなくなっちゃったのよね。24歳の麻友。23歳も年上の人なんてと、思ってたわね。でも、他のファンの人も大切にしながら、結婚できたって、幸せだったわ」
麻友「他のファンの人も大切って、本当に、他のファンと2日丸ごとデートなんて、実行したの?」
未来の麻友さん「あなたは、20歳のときにもう、ファンの男の子に、告白ごっこなんて、してたんじゃない。ファンを喜ばせるのは、心がこもっていることが、一番大切なのよ」
麻友「そっかー」
私「じゃあ、そろそろ2018年に戻ろうか」
麻友「ちょっと未来を見に行くのって、一生に一度くらいやってみてもいいわね」
私「じゃあ、バック・トゥ・ザ・プレゼントか」
ピラピラ―。
現在2025年8月17日10時59分である。『ふたりの子供(その2)』という投稿が、長くなり過ぎていたので、3つに切った。削除はしていない。