1から始める数学

数字の1を定義するところから始めて現代数学を築きます。ブログの先頭に戻りたいときは、表題のロゴをクリックして下さい。

現代論理学(その26)

現在2020年2月6日5時17分である。

麻友「早起きね」

私「今日は、3時59分に、気分スッキリ起きられたんだ。昨晩、比較的早く切り上げたからかも知れない」

結弦「宿題が、出ていたね」

若菜「これの、1と0を、どうやって並べたらいいかね」


{\begin{array}{c|c|c|c|c}

p_2 & \Rightarrow & ( p_3 & \wedge & p_5 )\\
\hline
1 &   & 1  &   & 1 \\
1 &   & 1  &    & 0\\
1 &   & 0 &   &  1 \\
1 &   & 0 &   & 0\\
0 &   & 1 &   & 1 \\
0 &   & 1 &   & 0\\
0 &   & 0 &    & 1\\
0 &   & 0 &   & 0 \\


\end{array}}

私「考えてみた?」

結弦「お父さんが、2進法というものの考え方を、利用している、と言ってたから、良く見たら、下から順に、

0 0 0 十進法では 0
0 0 1 十進法では 1
0 1 0 十進法では 2
0 1 1 十進法では 3

と、ひとつずつ増やしたものに、なってるんだね」

私「そうなんだ。2進法と、対応させれば、重複がないことも、証明したことになる」

麻友「そもそも、{2^3=8} 通りあるというのは?」

若菜「3つのものが、それぞれ、0か1のどちらかの値を取るので、{2 \times 2 \times 2 =8} 通りの場合が、あるわけですよね。そして、これより多くはならないですね」

私「結弦のは、効率の良さでは、優れている。だが、真理表の下から、表を埋めることになる」

結弦「上から、0 を書き始めちゃ、いけないの?」

私「間違いには、ならない。だから、結弦が、0から始めて、上から埋めていくのが、自分の数学だ、と思うなら、それを、貫けば良い」

結弦「ばつには、されない?」

私「大丈夫。ただ、数学の文献では、ほとんどの場合、1から始めて、上から埋めていく。やっぱり、正しい、つまり、真、の場合を、知りたいからだ」

若菜「その場合の並べ方は?」

私「この方法は、手間がかかるのだが、真を1、偽を0、とする前、真を {\bigcirc} 、偽を {\times} 、と、書いていたよね」

麻友「ああ、ブルバキの方とかね」

私「この {\bigcirc} を、私は、0 だと思うことに、したんだ。そして、{\times} を 1 だと思うことにした。そして、

000 は、 {\bigcirc} {\bigcirc} {\bigcirc}

001 は、 {\bigcirc} {\bigcirc} {\times}

010 は、 {\bigcirc} {\times} {\bigcirc}

011 は、 {\bigcirc} {\times} {\times}

と、上から真理表を、埋めていく」

結弦「でも、これからは、真理表を、0 と 1 で、書くんだよ」

私「そうだ。だから、こうやって、 {\bigcirc}{\times} で、真理表を作った後、 {\bigcirc} を 1 に、 {\times} を 0 に、置き換えるんだ」

結弦「なんか、遠回りだなあ」

私「慣れてくると、初めから表を書くとき、全部 1 から、2進法で、1 ずつ引き算して行くと、同じ表になる」

結弦「

1 1 1

1 1 0 (=1 1 1 - 1)

1 0 1 (=1 1 0 - 1)

1 0 0 (=1 0 1 - 1)

0 1 1 (=1 0 0 - 1)



確かになっている。お父さん、いつこの方法、習ったの?」

私「公文をやってた頃かなあ、自分で、なんとか間違わないように、と思って、考え出したんだよ」

麻友「太郎さん。自分で考え出した方法だから、間違えないのよね」

私「教わったことだって、一杯あるよ」


結弦「じゃあ、今日の宿題に取り組もう。



{\begin{array}{c|c|c|c|c}

p_2 & \Rightarrow & ( p_3 & \wedge & p_5 )\\
\hline
1 &   & 1  &   & 1 \\
1 &   & 1  &    & 0\\
1 &   & 0 &   &  1 \\
1 &   & 0 &   & 0\\
0 &   & 1 &   & 1 \\
0 &   & 1 &   & 0\\
0 &   & 0 &    & 1\\
0 &   & 0 &   & 0 \\


\end{array}}

というのだった。ここまで 1 と 0 を埋めることは、今やったことから、分かる。これを元に、次の段階に入る」

若菜「括弧が付いてるから、{p_3  \wedge p_5} を、計算するわけですよね。それを、『{\wedge}』の下に書く」

麻友「{p_3} と、{p_5} が、どちらも 1、 つまり真なら、{p_3  \wedge p_5} は、真。つまり、1 ね。だから、こうなるわね」


{\begin{array}{c|c|c|c|c}

p_2 & \Rightarrow & ( p_3 & \wedge & p_5 )\\
\hline
1 &   & 1  & 1 & 1 \\
1 &   & 1  &   & 0\\
1 &   & 0 &   &  1 \\
1 &   & 0 &   & 0\\
0 &   & 1 &   & 1 \\
0 &   & 1 &   & 0\\
0 &   & 0 &    & 1\\
0 &   & 0 &   & 0 \\


\end{array}}


結弦「次の行は、{p_5} が、0 だから、{p_3  \wedge p_5} は、片方でも偽なら、偽となるから、0 となるね。こうだ」

{\begin{array}{c|c|c|c|c}

p_2 & \Rightarrow & ( p_3 & \wedge & p_5 )\\
\hline
1 &   & 1  & 1 & 1 \\
1 &   & 1  &  0  & 0\\
1 &   & 0 &   &  1 \\
1 &   & 0 &   & 0\\
0 &   & 1 &   & 1 \\
0 &   & 1 &   & 0\\
0 &   & 0 &    & 1\\
0 &   & 0 &   & 0 \\


\end{array}}


私「その調子で埋めていくと、


{\begin{array}{c|c|c|c|c}

p_2 & \Rightarrow & ( p_3 & \wedge & p_5 )\\
\hline
1 &   & 1  & 1 & 1 \\
1 &   & 1  &  0  & 0\\
1 &   & 0 & 0 &  1 \\
1 &   & 0 & 0 & 0\\
0 &   & 1 & 1 & 1 \\
0 &   & 1 & 0 & 0\\
0 &   & 0 &  0  & 1\\
0 &   & 0 & 0  & 0 \\


\end{array}}


まで、分かるな」

若菜「次は、{ \Rightarrow } のところですね」

麻友「分かってきたわ。{p_2  \Rightarrow (p_3  \wedge p_5)} だから、太郎さんの矢印の定義により、{\neg p_2  \vee (p_3  \wedge p_5)} が、成立するとき、1 を入れて、成立しないとき、0 を入れるのね。1行目は、{p_3  \wedge p_5} が成り立っているから、{\neg p_2  \vee (p_3  \wedge p_5)} は、真で、1 を入れる」

{\begin{array}{c|c|c|c|c}

p_2 & \Rightarrow & ( p_3 & \wedge & p_5 )\\
\hline
1 & 1 & 1  & 1 & 1 \\
1 &   & 1  &  0  & 0\\
1 &   & 0 & 0 &  1 \\
1 &   & 0 & 0 & 0\\
0 &   & 1 & 1 & 1 \\
0 &   & 1 & 0 & 0\\
0 &   & 0 &  0  & 1\\
0 &   & 0 & 0  & 0 \\


\end{array}}

結弦「次の行は、{p_2 } が真だから、{\neg p_2 } は、偽で、{p_3  \wedge p_5} も偽だから、{p_2  \Rightarrow (p_3  \wedge p_5)} は、偽となり、0 が入る」

{\begin{array}{c|c|c|c|c}

p_2 & \Rightarrow & ( p_3 & \wedge & p_5 )\\
\hline
1 & 1 & 1  & 1 & 1 \\
1 & 0  & 1  &  0  & 0\\
1 &   & 0 & 0 &  1 \\
1 &   & 0 & 0 & 0\\
0 &   & 1 & 1 & 1 \\
0 &   & 1 & 0 & 0\\
0 &   & 0 &  0  & 1\\
0 &   & 0 & 0  & 0 \\


\end{array}}


若菜「慣れれば、機械的にできますね」

私「だから、コンピューターでもできる」

麻友「あっ、そうね。人間様のやることじゃない」

若菜「でも、最近のコンピューターは、凄いんですよ。私と結弦だって、AIなのですから」

私「アハハ、逆襲された」

麻友「じゃあ、結弦。続きやってよ」

結弦「カチャカチャ」

{\begin{array}{c|c|c|c|c}

p_2 & \Rightarrow & ( p_3 & \wedge & p_5 )\\
\hline
1 & 1 & 1  & 1 & 1 \\
1 & 0  & 1  &  0  & 0\\
1 & 0  & 0 & 0 &  1 \\
1 & 0  & 0 & 0 & 0\\
0 & 1  & 1 & 1 & 1 \\
0 & 1  & 1 & 0 & 0\\
0 & 1  & 0 &  0  & 1\\
0 & 1  & 0 & 0  & 0 \\


\end{array}}

となる」

若菜「この場合、目的の論理式の真理値は、

{\begin{array}{c|c|c|c|c}

p_2 & \Rightarrow & ( p_3 & \wedge & p_5 )\\
\hline
1 & 1 & 1  & 1 & 1 \\
1 & 0  & 1  &  0  & 0\\
1 & 0  & 0 & 0 &  1 \\
1 & 0  & 0 & 0 & 0\\
0 & 1  & 1 & 1 & 1 \\
0 & 1  & 1 & 0 & 0\\
0 & 1  & 0 &  0  & 1\\
0 & 1  & 0 & 0  & 0 \\


\end{array}}
{~~~~~~~~~~~}↑ この列

に現れていますね」

麻友「真理値って?」

若菜「例えば、{p_2} が偽、{p_3} が真、{p_5} が偽 なら、6行目より、{p_2  \Rightarrow (p_3  \wedge p_5)} は、真だと分かるということです」

麻友「そういうことを、やりたかったのか」

結弦「でも、今までやってきたことを、大分思い出したね」

麻友「なんとか、論理学、取り戻したわ。分からなくても、先に進んじゃうと、分かってくることも、あるわね」

私「そういう姿勢も大切。ただ、自分にウソをつかないでね」

麻友「分かってないものを、分かってるってことにしてしまわないようにね、ということね」

私「じゃあ、今日はかなり頑張ったから、これで、解散にしよう」

現在2020年2月6日7時54分である。おしまい。